けれども、ただ感情的になってどなりこんでも、事態はよくなりません。
家族が冷静になって、お子さんを守ってあげてほしいのです。
まず必ず、いじめの証拠になるものを先に集めましょう。
(壊されたもの、ケガなどの写真、嫌がらせメール、メモ、診断書など)
また、同級生やその父母から電話(録音もできます)などで、情報を集めます。
————————————-
◎証拠の重要性
前の項目で学校がなぜいじめをもみ消すかをお話しました。
はっきりした証拠や目撃証言があっても、
学校はいじめを認めたくありませんから、
証拠をもみ消したり、クラスに口止めをしたり、
被害家庭に問題があるかのようにでっち上げることまであります。
だからこそ、カラ手で学校と交渉してはいけません。
いじめを止めさせるには・・・つまり、こちらの言い分である
「いじめがある」ことを認めさせなくてはならないのです。
学校は対策を取る以前に、いじめの有無から認定しようとしないもの。
たとえ傷害事件が起きても、人が死んでも、です。
だからこそ、先に証拠を集め、学校が有無の時点から目をそらさせないようにします。
また、学校がダメでも、教育委員会や外部の機関に相談する際、
証拠があるとないでは大違い。
外部機関から学校へ指導を頼んでも、
証拠がないと、こちらがモンスターペアレントだと嘘をつかれるケースまであります。
証拠集めは、先手必勝です!
————————————-
◎文章の重要性
伝言ゲームをやったことはありますよね?
正確に伝えようとしても、どこか少しずつズレてしまいます。
あなたがどれだけ熱意をもっていじめ被害を訴えても、
伝言ゲームのようにズレが生まれる恐れがあります。
たとえば、もし担任が理解のある人だとしても、
担任の一存だけでは、学校の対策はとれません。
すると、副校長や校長にも了解が必要になるでしょう。
このときに文書がなく、聞いて覚えている内容だけですと、
印象に残ったことを、他の教職員へ短い時間で伝えなくてはいけません。
話した内容が多岐に渡ると、どこからどう話してよいか、
伝える先生も困ってしまいます。
また、もし伝えた内容がズレていたら、責任問題になる恐れも。
どうしても及び腰になりやすくなります。
つまり、文書にすることで
・事実を間違いなく伝えられる。
・他の関係者に、スムーズに伝えられ、行き違いが出ない。
・伝達者のズレによる、責任問題をさけられる。
という効果があります。
そして特に大事なのが・・・
・「聞いてない」「知らない」「被害届けがない」と、
学校がしらを切るのを防ぐ
・学校と交渉した内容の証拠になる。
・つまり、学校が対処や対策を取っていないと、責任が問われる。
ということです。
————————————-
◎文書の作成方法
「被害事実書」と「要望書」の2種類を作成します。
「被害事実書」
・いじめの事実を箇条書きにします。
・日付を入れて、時系列で書きます。できれば時間帯も
例:「○月○日(曜)、2時限後の休み時間」「給食時間」「放課後」
・場所を入れます。
例:「廊下で」「理科室で」
・具体的なできごとを書きます
・ケガや壊されたモノの写真などがあれば添えてください。
・証拠は紛失の恐れがありますから、渡さないようにしましょう。
「要望書」
合わせてもう一通、「学校への要望書」を作成します。
これは、学校に何をしてほしいのかを具体的に示す書類です。
こちらが求めている内容、つまりどうしてほしいかを、簡潔に列記します。
内容には、次の3つを書き込みます。
・すぐにいじめをやめさせること。
・加害者に厳しく注意し、反省させること。謝罪。
・学校としての再発防止策。
そして、「○月○日までに回答をください」と期日を書きこんで渡します。
これを出すことで、対策を取ったかどうかの判断基準になります。
外部に訴える際にも、交渉の証拠として有効です。